1グラムの土壌の中には10億以上の微生物が生育しており、その種類は数千から100万種と言われています。
この微生物が土壌にもたらす影響は多大なものがあり、現在は農業分野での微生物の利用が活発になっています。
微生物というと病気の原と考えられることが多いですが、病原性細菌は種数でいうとごくわずかであり、大半の微生物は無害です。
むしろ、植物の生育に欠かせない働きをしているものも多く存在しています。
その働きは、大まかに腐敗、浄菌、発酵、合成の4つに分けて考えることできます。
- 腐敗型 有機物を分解する際、硫化水素など植物に有害な物質を発生させる微生物群です。腐敗型の微生物が優占した土壌は、ウジが発生したり様々な害虫が集まったりします。
- 浄菌型 抗菌物質などを生成する微生物群です。浄菌型の微生物が優占した土壌は、山土の表土の臭いがします。そして、病害虫の発生が極めて少なくなります。
- 発酵型 乳酸菌や酵母などを主体とする微生物群です。発酵型の微生物が優占した土壌は香ばしい発酵臭がします。こうじカビが多発します。
- 合成型土壌 光合成細菌や藻菌類、窒素固定菌など植物の栄養となる物質をつくり出してくれる微生物群です。この菌が優占している土壌では、少量の有機物の使用でも土壌は肥沃化します。